真咲南朋の芯
正直に言うとAVライターって安全圏から物言ってるとこありましてね、真咲さんみたいな大物について語るにあたって僕は何か資格みたいなもんがあるわけじゃないんだけど、彼女の作品の中でも僕に最初に一番引っ掛かったのはこれなんです。拗らせ女と憧れの女の子。すがる女に、それじゃ何も伝わらないと困惑する女の子。この時真咲さんの足場(立脚点)がどこにあるのか計りかねた僕は、ただただ引っ掛かるという感覚だけが心に残ったものでした。この頃から僕にとって真咲さんは気になる監督だったんですね。
紗倉まなが3人の候補から1人レズの相手を選ぶというパートを担当した真咲さん、僕はこれを見ては「貴女の言いなりレズペット」のテーマを思い出したんですね。紗倉まながエレガント過ぎるのために見過ごしてしまいそうになるんだけど、結局選ぶ/選ばれるには、「伝える」という勝負に撃って出なければならず、この勝負では涙を見せなかった乙葉ななせを紗倉まなは選んだというわけ。
自分の弱さによりかかり、好意にすがるために媚びる、好意が得られずに詰る、嘆く、挙げ句選ばれなかったことを傷として自分の中心にして、同じ自己表現を繰り返す、もちろんそういう女にエロスを見る男はいるんだけど、もちろんそういう女は素敵じゃない。僕はそう控え目に言うけど、真咲さんはもっと強くそう思ってるんだろうなと、おぼろげに感じた作品でした。
僕はこの作品を、小倉由菜特集part2で取り上げた時、真咲南朋は新しい表現の鉱脈を掘り当てたと評価しました。ガチな陵辱作品が実はそんなに好まれないのが現代のAVシーンでありまして、例えばナチュラルハイにおける陵辱は「調教」に寄せたものであるし、アタッカーズのそれはNTR作品に近い構造をしてます。真咲さんの陵辱はもっと容赦のない陵辱であったにもかかわらず、数字は熱烈に支持されたことを示していました。諸々はしょってざっくり言いますと、レ⚪プされても傷ひとつつかない小倉
由菜の気高さの前に、可哀想!という感情がぶっ飛んだということなんだと思います。「自分の弱さによりかかり、好意にすがるために媚びる、好意が得られずに詰る、嘆く、挙げ句選ばれなかったことを傷として自分の中心にして、同じ自己表現を繰り返す」女なんて美しくないわ、というテーマをかなり極端な形でなぞっているように僕には見えます。
そして最近のこれ。真咲さんはこんな風に言ってますね。
ももあすと女目線の痴女作品を。私は大人ぽいももあすが好きだわ!
小悪魔プロ浮気お姉さんと中出しSEXをしながら来る日も来る日もアナル開発されてメスイキまで覚えてしまった僕。 百瀬あすか - エロ動画・アダルトビデオ - FANZA動画 https://t.co/g7b2LF4tXA
https://twitter.com/nannannantomo/status/1467292374187769858?t=gbNpMtQIrNPxc0T2wxEpzA&s=19
例によって僕は感じたまま、想像をこねくり回してその意味を敷衍して行くしか無いんですが、「女目線の痴女」「大人の」というのをテコに考えますと、媚びる=すがるということの無い、性欲の追求に男の甘ったるい愛情を必要としない、常識や道徳の周りで堂々巡りしない、欲望に言い訳をしないというのが僕のイメージする大人の痴女。真咲さんの考える素敵な女のイメージというのはその辺りにありそう。
そして、意外にと言ったら失礼なんだけど、それは2022年の今、僕らの求める痴女のカタチとほとんどズレていないんですよ。なぜなら僕らだってAVに出てくる女の子からセックスに対する言い訳がましい嫌悪感やヒステリックさを見せられるくらいなら欲望に正直、それも正直さにおいて潔癖なくらいの痴女を望むのだから。
近々僕はこの作品を取り上げるんですが、うだうだ語るスペースもなく、また論理を展開する余裕も無さそうなのでちょっと困ってます(笑)。
それでも無理を押して短くまとめると、真咲さんの芯はガールズパワーなんだと思います。